2014年9月9日火曜日

精神保健福祉士と自由を望まぬ人27

 相談室に戻ると、室長がいたので、一応相談してみた。
 「室長。実は、病棟で集団精神療法をやりたいと思っているんですが、社会資源のところを担当して頂けませんか?」
 「ああ。それはいいね。けど、私は適任じゃないですよ。適任者は誰か分かっているんでしょう?」
 「はぁ。先輩でしょうか?」
 「いや。これを考え出して、進めている人ですよ。」
 「えっ!! いや〜。私にはまだ早いかと。」

 野間がそう言うと、室長の視線が野間の後ろに移った。慌てて振り返ると、ニコニコと笑顔の先輩がいた。
 そして、そのまま歌い出した。
 「♪伊〜代〜は〜まだ〜、16だ〜から〜♪」
 「えっと」野間が何か言おうとすると、「なんて言ってる場合かゴラ〜!! 自分でやりなさい!」と。

 後日、最初のスタッフ同士の話し合いはスムーズだった。福田の独走を制しながら、野間の司会で日程や内容のすり合わせが進んだ。
 成宮先生も思ったより積極的で、前向きな発言が多い。医者の発言は、どうしても重くなる。その意味で、会議の質を決めかねない。
 ただ、始まる前に、こっそり「ちゃんとやるから、お前の先輩に良く言っておいてくれよ」と言われた。先輩恐るべし。

 そのまますんなり終わりそうだったが、やはりそうもいかなかった。
 問題は、参加患者の選定と、意欲の喚起。この点で、福田が口火を切った。


(つづく)




 

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