その日は、あえてその病棟は避けて、 医療相談室での事務作業で時間を過ごした。
野間はまだ、 あのカルテの記録をどう捉えていいのかわからずにいたからだ。
野間はまだ、
夕方になり、「おつかレンコン、おつかレンコン」 っと先輩が帰ってきた。
野間は、カルテのことを言おうか迷った。
しかし、カルテを見て、 怖くなって逃げ帰ってきたなんてやっぱり言い出せない。
しかし、カルテを見て、
野間が、無意識に、「う〜〜ん。」とうなっていると、 嬉しそうに近寄ってきた。
「悩める青年よ。いいね。いいよそのうなりっぷり。 いっぱしの精神保健福祉士って感じするねぇ。」
先輩は、そう言って笑った。
「悩める青年よ。いいね。いいよそのうなりっぷり。
先輩は、そう言って笑った。
野間は、自分がうなっているのに気づいていなかったので、 恥ずかしくなった。
それを見て、先輩が続けた。
「よろしい。今日は気分もいいし、室長語録を授けてしんぜよう。 」
そう言って、話し始めた。
「おほん。人を支援しようとするとき、悩んでしまうのは当然。 完全に他人を理解できる人なんていないからね。むしろ、 悩まない支援者は、弱くて独善的で未熟な支援者よ。なぜなら、 そんな支援者は、 必然的にクライエントを見下してしまうゲス野郎だからだ! オーイェー!」
のってきたらしい。
「つまり、飛べない豚、もとい、 悩まない豚はただの豚だってことだぜ〜! 分かったかいフィオ。 それじゃあ俺はカーチスの野郎と一戦交えてくるぜ!」
それを見て、先輩が続けた。
「よろしい。今日は気分もいいし、室長語録を授けてしんぜよう。
そう言って、話し始めた。
「おほん。人を支援しようとするとき、悩んでしまうのは当然。
のってきたらしい。
「つまり、飛べない豚、もとい、
先輩は、ここまで言って振り返り、 引き気味の野間を見て正気に戻ったのか。 振り上げていた腕をおろし、椅子にゆっくりと腰を下ろした。
そして、落ち着いた声で「えっと。それからね。 等身大の自分を受け入れなさい。」一息ついて、「以上、 愛の伝道師が送る室長語録でした。」そう言って、微笑んだ。
そして、落ち着いた声で「えっと。それからね。
等身大の自分を受け入れる。確かにそうだ、野間は納得した。
ありのまま先輩に話してみようと思った。
ありのまま先輩に話してみようと思った。
(つづく)
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