野間は、なんの反応もできず聞き入っていた。
「あはっあはっあはっ。病院を辞める覚悟で、 他の先輩や院長に言ったら、医者なら、 そんなことは誰にでもあるから気にするなと言われたよ。 事故だとね。けど、私の責任だよね。それ以来、 ESの機械を手にすることができなくなった。手が震えてね。 どうしたらESをやらずにすり抜けられるか、 そればっかりを考えてた。」
野間は聞きながら、 山崎先生自身が支援を必要としていると感じた。 患者に対してそうしているように、野間は、 じっと傾聴の姿勢を示した。
山崎は続けた。
「私は仕事をしない怠け者になることにしたんだよ。いや、 そうしかなれなかった。」
野間は、そっと伝えた。
「そうでしたか。」
「あはっあはっあはっ。」
「けど、今は薬物療法が治療の中心ですから、 ESをやらなくてもいいのではありませんか。」
「始まったね。薬物療法は、黒船が来たみたいなもんでね。 価値観が一変した。」
「先生も薬物療法に?」
「いや。当たり前に処方はするけどね。 患者を治してやろうと熱くは思えない。私は怠け者だよ。 ここでそれを全うすることが、せめてもの。。。」
山崎は続けた。
「私は仕事をしない怠け者になることにしたんだよ。いや、
野間は、そっと伝えた。
「そうでしたか。」
「あはっあはっあはっ。」
「けど、今は薬物療法が治療の中心ですから、
「始まったね。薬物療法は、黒船が来たみたいなもんでね。
「先生も薬物療法に?」
「いや。当たり前に処方はするけどね。
野間には、最後は聞き取れなかったが、何を言ったのかは分かる。
何も励まさず、何も慰めず、野間はただ聞いていた。
何も励まさず、何も慰めず、野間はただ聞いていた。
すると、急に山崎が口を開いた。
「あはっあはっあはっ。ということでさ。私は何もしないよ。 ただし、邪魔もしない。それでいいよね。」
山崎は、満面の笑顔で言った。
野間は、なんだかちょっと涙がにじみそうなのをこらえながら、 はい!と返事をした。
「あはっあはっあはっ。ということでさ。私は何もしないよ。
山崎は、満面の笑顔で言った。
野間は、なんだかちょっと涙がにじみそうなのをこらえながら、
(つづく)
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