「さあ飲もう飲もう。支払いは心配しないでくださいね。皆さん。 」
そう言って満面の笑みで男物の財布をかかげた。そして、 いたずらっぽく伏せている成宮を指差した。
みんなが苦笑いする中、先輩が上機嫌で注文を取る。
そう言って満面の笑みで男物の財布をかかげた。そして、
みんなが苦笑いする中、先輩が上機嫌で注文を取る。
先輩のテンションはいつもの通り、 あっという間に他を巻き込んで盛り上げる。
「ねぇ野間君。 藤さんって年齢の割に体がしっかりしていると思わない?」
「えっと、そうですね。そういえば。」
「藤さんってさぁ、柔道の国体選手だったんだよ。」
「へー。」
「得意技が」
そう言って、すっと割り箸をマイクに見立てて、藤さんに向ける。
「山嵐!」
「あだ名が」
「ヤワラちゃん!」
「ビンゴー!!」
「ねぇ野間君。
「えっと、そうですね。そういえば。」
「藤さんってさぁ、柔道の国体選手だったんだよ。」
「へー。」
「得意技が」
そう言って、すっと割り箸をマイクに見立てて、藤さんに向ける。
「山嵐!」
「あだ名が」
「ヤワラちゃん!」
「ビンゴー!!」
藤さんもまんざらではない様子で、 山嵐の投げ方の解説を師長にしている。
あっという間に、藤さんも酔いが回ってきているようだ。
すると、藤さんから、隣に座っている野間に話しかけてきた。
「そういえばさぁ、病棟の倉庫の古いカルテ見たでしょ。 あれどうだったの?」
野間は少しドキッとしたが、 飲めない酒に酔っていて思ったことを口にしてしまった。
「いや〜。ひどいなぁと思いましたよ。 ESのゴム印だらけでしたからね。閉鎖の山田さんなんか、 拷問だって言ってましたよ。」
言った後ではっとした。藤さんが固まっていたからだ。
「あっ、いや拷問というか、」
「いえ。いいのよ。患者からすれば、まさしく拷問よね。」
あっという間に、藤さんも酔いが回ってきているようだ。
すると、藤さんから、隣に座っている野間に話しかけてきた。
「そういえばさぁ、病棟の倉庫の古いカルテ見たでしょ。
野間は少しドキッとしたが、
「いや〜。ひどいなぁと思いましたよ。
言った後ではっとした。藤さんが固まっていたからだ。
「あっ、いや拷問というか、」
「いえ。いいのよ。患者からすれば、まさしく拷問よね。」
(つづく)
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