「はい。どうぞ。」
無機質な声が返ってきた。
野間は、深呼吸し、思い切ってドアを開けて中には入った。
「おう。これはこれは野間さん。どうしました?」
無機質な声が返ってきた。
野間は、深呼吸し、思い切ってドアを開けて中には入った。
「おう。これはこれは野間さん。どうしました?」
中にいたのは、この病院で唯一の心理職、臨床心理士の福田だ。
中年の小太りの男性。不機嫌なわけではなく、いつも無表情。 それに、性格というか、性質にやや問題がある。
中年の小太りの男性。不機嫌なわけではなく、いつも無表情。
「野間さんが来るということは、 ドクターの心理検査の処方箋を持ってきたのですか? いや、それは看護助手の仕事だ。 看護助手もこの業務を病棟から出る息抜きに使っているから、 そう簡単に代役を頼むはずはない。 病棟看護人員も今日は不足ないはずだ。 いま病棟で特段大きな病状悪化の患者もいない。ということは、 精神保健福祉士の野間さんが持ってくるのは不自然だ。 妥当性がない。それとも、患者のコンサルを求めに来たのですか? それとも。」
「いやいや。実は折り入って相談があって来ました。」
「いやいや。実は折り入って相談があって来ました。」
野間は、予想通りの福田の反応に「出た。めんどくさい。」 と心で思った。
一言言うと、10の理屈が帰ってくる。 本人は理論建てているつもりなのだろうが、 回りくどくて人を辟易とさせる。そして、それに気づいていない。 相手の感情を理解し辛いようで、 自分で発達障害のアスペルガー症候群だと公言している。
ただ、知能指数は明らかに高いらしい。 普通100ぐらいであるところを、 170あるのだと自慢しているのを聞いたことがある。
最初の挨拶で、いつも「アスペの心理士、福田です。」 と自己紹介をする。これは先輩がアドバイスしたらしい。 それ以来、言葉は悪いが、いわゆる先輩になついている。 先輩のようにユーモアのある振る舞いをしたいのだそうだ。
一言言うと、10の理屈が帰ってくる。
ただ、知能指数は明らかに高いらしい。
最初の挨拶で、いつも「アスペの心理士、福田です。」
(つづく)
0 件のコメント:
コメントを投稿