2014年8月14日木曜日

精神保健福祉士と自由を望まぬ人25

 「実は、病棟で長期入院患者を対象に、集団療法を意図したグループワークを行いたいと思っているんです。」
 「ほうっ。集団療法? 集団療法とは、単なる集団に対して行われるアプローチですが、意図するところは集団精神療法ですか? それによって、」
 「あっ。はい。その通りです。集団精神療法です。そこで、福田さんにもぜひ参加頂きたくて。」
 「ふむ。いいですよ。心理職ですから、精神療法と聞いて嫌とは言えませんからね。そもそも精神療法の起源は、」
 「よっよかった! それでですね、概要を考えてみたんです。」
 「ほう。」
 「週1の5〜6回程度で1クール。専門家による講義と患者同士の意見交換のセットです。」
 「うむ。スタンダードですね。バランスもまとまりも良いでしょう。ただ、誰を呼ぶかによって、
 「あっと。はい。それはですね。ドクターは成宮先生。看護師は婦長。心理が福田さんで、作業療法士の山本室長。精神保健福祉士が先輩です。」
 「ふむ。まあいいでしょう。妥当ですね。なぜ私が妥当だと言ったかですが、」
 「おっと。そうだ。まだ山本室長に話していないからいそがなくては。それでは、これで。」
 そう言って、野間は、心理室を抜け出した。

 ちなみに、これぐらいあからさまでも福田さんは機嫌を悪くしたりはしない。先輩が最初、このように接しているのを見てびっくりしたが、これがお互いにいいのだと野間も思うようになっていた。

 さて、最後は作業療法士(OT)の山本室長だ。山本室長のことは心配していない。この病院では、珍しく(?)常識的な人だ。ただ、前に出るのが好きではないから、きっと誰かにふるだろうとは思うが。まあそのぐらいだ。

(つづく)




 

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