「私はただ、流れの中に浮かんでいる水草のようなものです。」
それだけ言って、会釈をして立ち去った。
それだけ言って、会釈をして立ち去った。
水草であるとはどういうことか。野間はその意味を掴めず、ただ見送るしかできなかった。
野間が呆然としていると、 ナースステーションから緊張した声で呼ばれた。
「ちょっと野間さん。大変よ!電話に出て!」
慌ててナースステーションに飛び込むと、 看護師が受話器を渡しながら「小林さんの甥ですって。 無理に退院させようとしてるんじゃないかって怒ってるのよ。」 と。
野間が緊張しながら受話器を取ると、大きな怒鳴り声が響いた。
「おい!! どういうことだ!! 今更退院なんて聞いてねえぞ!! お前ら一生面倒見るって言ったじゃねえか!! それを今更!! ふざけんな!! 」
急な怒鳴り声に、野間はびっくりした。慌てて、 何と答えていいか分からない。とりあえずだが返事をした。
「ちょっちょっと待ってください。 そんなに怒鳴られたら返事ができません。落ち着いてください。」
すると、ころっと声の調子を落として言ってきた。
「いいかい。こっちは無理なことを言ってんじゃねえんだよ。 約束を守って欲しいってだけだよ。分かるか?」
「約束ですか?」
「そうだよ。おじを入院させる時、 一生病院に入院させて面倒を見るって言ったんだよ。分かったか。 」
「一生ですか?」
「ああ。そうだよ。㉚ 何年も前のことは知らねえって言うんじゃねえだろうな!」
「いや。そうではありません。そのような約束を、 私どもの病院がしたということを否定するつもりはありません。 時代的にもそういうことがあったと聞いていますから。」
「おう。そうかい。それなら良かった。じゃあ、 その退院グループワークとかなんとかいうのを中止してくれるな。 」
「えっ。退院グループワークですか? それは小林さん本人から聞いたのでしょうか?」
「いや。病院から送ってきた、 いつもの入院費の支払い領収書に紙が入ってたんだよ。」
「紙?」
「ああ。 あなたの家族は退院グループワークに参加しているので集団精神療 法ってので、金の請求をする可能性があるってさ。」
「ちょっと野間さん。大変よ!電話に出て!」
慌ててナースステーションに飛び込むと、
野間が緊張しながら受話器を取ると、大きな怒鳴り声が響いた。
「おい!! どういうことだ!! 今更退院なんて聞いてねえぞ!! お前ら一生面倒見るって言ったじゃねえか!! それを今更!! ふざけんな!! 」
急な怒鳴り声に、野間はびっくりした。慌てて、
「ちょっちょっと待ってください。
すると、ころっと声の調子を落として言ってきた。
「いいかい。こっちは無理なことを言ってんじゃねえんだよ。
「約束ですか?」
「そうだよ。おじを入院させる時、
「一生ですか?」
「ああ。そうだよ。㉚
「いや。そうではありません。そのような約束を、
「おう。そうかい。それなら良かった。じゃあ、
「えっ。退院グループワークですか? それは小林さん本人から聞いたのでしょうか?」
「いや。病院から送ってきた、
「紙?」
「ああ。
野間は、誰の仕業かすぐに思い当たった。
(つづく)
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